社会不安障害の中の症状として排尿恐怖症と言われている症状があります。
これは公衆トイレなどで、隣に人がいると用を足せない(小便が出なくなってしまう)という症状です。
この排尿恐怖症の症状のために会社を辞めてしまったりする人も中にはいるものです。 そして、ひきこもり状態になってしまい、社会生活を送れないようになってしまうこともあるものなのです。
排尿恐怖症に悩んでいる人はトイレで隣同士で話しながら用を足している人を見ると羨ましく感じてしまうものなのです。
そして、ますます劣等感を強くし、落ち込んでしまうことが多いものなのです。
なお、社会不安障害に悩むような内気で繊細な神経質性格を持った男性の場合に多く見られる症状になります。
女性との性交渉が上手く出来ないというインポテンツも、精神的なメカニズムとしては、この排尿恐怖症と共通しているのではないかと思います。
いずれも自然な生理現象が、緊張のためにスムーズに行われないというところに共通点があるように思います。
そして、こうなってしまうのは、緊張を自分の意志の力でなくそうと、はからいの行動を取っているところにあると言えるのです。
緊張や不安といった感情は、本来、自分の意志の力ではコントロールできないものなのですが、これを無理にコントロールしようとしてしまうと、逆に、緊張や不安をますます強くしてしまうものなのです。
そして、このために、自然な生理現象も影響されてしまうと言えるのです。
ですから、森田療法の学習により、緊張や不安を、「あるがまま」に受け止めることが出来るようになれば、排尿恐怖症の症状も充分、改善してくると言えるのです。
つまり、この症状はけっして、膀胱などの異常から来るものではないと言えるのです。