内気というと性格を表しているように感じられるかもしれませんが、ここで言っている内気というのは、社会不安障害から来る病的な状態になった内気の意味になります。
性格的におとなしく内気な人も、世の中には多いですが、こういう人達が全て、このことで四六時中悩んでいることはないものです。
つまり、自分の内気さを性格だと認め、それなりに毎日の生活を送っているものなのです。
また、内気さの裏返しである優しさに引かれて、かえって異性からもてる人も多いのではないかと思います。
ここで扱う内気の悩みというのは、社会不安障害の症状から、劣等感や自信のなさを強くしているところから起こっている状態の場合を言います。
つまり、おとなしく内気であることに対して自分の性格だと考え、折り合いをつけることが出来ず、自分自身を認めることが出来ないでいる状態だと言っても良いと思います。
そして、外向的で積極的な人を見ると、ますます劣等感が刺激されてしまい落ち込んでしまうことが多いものなのです。
また、自分の内気さに嫌気がさし、生きていても仕方がないと考えてしまうことも多いものなのです。 しかし、社会不安障害から来る内気な性格に悩んでいる人は、うつ病の人のように実際には自殺をすることが出来ないものなのです。
これは社会不安障害に悩むような神経質性格の人は人一倍、強い「生の欲望」を持っているからなのです。
なお、今、増えていると言われている「ひきこもり」になっている人の中には、社会不安障害から内気の性格傾向が強くなり、このために起こっている場合も多いのではないかと思います。
しかし、この場合の内気の悩みであれば、これは森田療法の学習をしていく中で、とらわれが薄れてくれば、充分、改善してくるものなのです。